サーバ向け仮想化とデスクトップ向け仮想化

再びデスクトップ用? (#1304382) | 手軽な仮想化ソフトウェア、lguest | スラドのコメントに触発されて書いてみます.

サーバ向け仮想化とデスクトップ向け仮想化がどういうものか,というのはアプローチによって違うと思いますので,求められる要件からそれぞれの違いを考えてみます.

なお高信頼性やセキュリティはどの応用でも共通の要件だと思いますのでここでは省きます.

サーバ向け仮想化

  • スループット
    • I/O仮想化
  • スケーラビリティ
    • 一ホスト上のゲスト数という意味での
  • 管理ツール
    • 複数のホスト,複数のVMを一元管理
  • 動的な構成変更
    • VM(ライブ)マイグレーションVMのCPU・メモリ等のホットプラグ(バルーニング)
    • プロビジョニング
    • ダウンタイムを短くするためのVMのバックアップと別ホスト上でのレジューム
  • 最新ハードウェア対応,特殊なハードウェア対応

KVMは性能,管理ツールがまだまだ弱いと思います.ハードウェア対応は実は強いです.なぜならLinuxががんばっているから.XenVMwareより強いかもです.VMware ESX Server 3.0だとSATA対応が甘かったですし.3.5では対応強化されていましたが.まぁこの辺はどちらかというとVMM構成法の問題化もしれません.

デスクトップ向け仮想化

  • 簡単インストール
  • Windows対応
    • ホスト・ゲストとも

KVMWindowsホストで動かないのが痛いですね.QEMUは動きますけども.

組込み向け仮想化

KVMはサーバ,デスクトップをはじめ組込み用途にも利用できると主開発者のAviは言っています.KVMLinuxとともにある技術なのでそれは間違ってはいないかも.VIAの組込み向け最新プロセッサは仮想化技術が実装されるみたいですし.

ということで組込み向け仮想化の要件についても考えてみます.

  • メモリフットプリント
    • lesser is better
  • 組込み向けハードウェア対応

まとめ

こうしてみるとサーバ用途としてはKVMはまだ機能が足りないですね.管理ツールなどはKVMに導入する価値があることが分かれば増えていくと思うので,問題は性能でしょうか.